今回は銀行借入をしたけれど、資金繰りが厳しくなって、リスケをしようと悩んでいる方に向けて書いています。
実際銀行の借入をリスケするとどういったデメリットがあるのか、そういったところのは話です。
私自身は元々銀行員をしていたので、実際のリアルな話を今回もお送りします。
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Contents
銀行借入をリスケした時のデメリットとは?
銀行借入をリスケたい際のデメリットは↓のような感じです。
①新規借入ができない。
②計画を策定する必要がある。
③借入金融機関が多いと結構大変。
④信用不安の可能性。
⑤返済期間が伸びる。
⑥金利条件が変わる可能性。
⑦債務者区分が落ちる可能性。
⑧保証会の場合は追加保証料がかかる。
⑨最悪代弁の可能性。
以外にも結構あるように感じますが、それ以上に資金繰りに対するメリットは大きいので、検討する価値は十分にあります。
それぞれについて詳しく書いていきますね。
①新規借入ができない
リスケをすると、基本的に新規借入はできません。
この基本的にはという部分が重要な部分にはなるんですが、ひとまずリスケすると資金調達は難しいと思ってください。
詳しい部分については次章に詳しく書いておきます。
考えて見て欲しいんですが、友達にお金を貸していて、
ごめん、返せない。。。
と言われたのに、また貸してって言われたらどうします??
まあ、普通の友達だったら貸さないですよね?
もし親友だったら、何に使うのか聞いて、どうするか考えると思うんですが、どうでしょうか。
これと一緒で基本的にはリスケをすると、新規の資金調達はできません。あとは、その銀行とあなたとの関係やなぜ資金がいるのかなどを考慮して資金調達が可能かどうかが変わります。
②計画を策定する必要がある。
③借入金融機関が多いと結構大変。
会社の規模やリスケの規模にもよりますが、基本的にリスケをする際にはそれなりの計画が必要になります。
どうやって改善させていって、そのリスケをしている期間に何をして、今後どうやって返済していくのかという計画です。
大きくは、PL面の改善計画と返済計画が必要になって来ます。
今までリスケをしたのに、そんなの作ったことない!
という方もいると思うんですが、そういった方については、銀行員が聞き取りをして内部資料として作成しています。
いや、これ結構大変だったりするんです。
しかも、対外資料でもないし、作ったからといって銀行のメリット(利息が増えたり、貸付が増えたりなど)がないので、誰も褒めてくれないですしね。
また、借入金融機関が複数に渡っている場合は、一つの金融機関だけリスケをするという考えは通りません。
リスケをするなら、全ての金融機関行うのが鉄則です。
返済方法としては、残高プロラタ、信用プロラタといった返済方法があります。
それぞれ詳しく書いておきますね。
残高プロラタとは?
簡単にいうと、銀行の借入残高に応じて返済額を決めるということです。
例えば、今期なんとか利益と減価償却費で一千万円は残せそうだとして場合、その8割を返済に回すように計画を組みます。
今回の場合は、8百万円を返済に回すということです。
そこで、銀行からの借入は1億円あって、A銀行から5千万円、B銀行から3千万円、C銀行から2千万円の借入があるとします。
すると、それぞれの銀行の借入に対する借入金の割合は、
A銀行:50% ( 5千万円 / 1億円 )
B銀行:30% ( 3千万円 / 1億円 )
C銀行:20% ( 2千万円 / 1億円 )
といった形になります。
返済原資は、8百万円なので、それぞれの銀行の残高の割合に応じて、年間の返済割合は以下のようになります。
A銀行:4百万円 ( 8百万円 × 50% )
B銀行:2.4百万円 ( 8 百万円 × 30% )
C銀行:1.6百万円 ( 8百万円 × 20% )
このように残高プロラタであれば、総借入に対する借入金額の割合に応じて年間の返済額を決めるという形を取ります。
次に信用プロラタについて書いておきます。
信用プロラタ返済とは?
残高プロラタ返済は、一見公平なように見えますが、実はちょっと不公平感のある返済方法なんです。
なぜかというと、担保について考慮してないからです。
たとえば、先ほどの例で以下のような借入残高でした。
A銀行:5千万円
B銀行:3千万円
C銀行:2千万円
そして、この残高の大きさに応じて返済を行なっていましたが、実はA銀行は本社の土地と建物を担保にとっていて、その価値が時価で5千万円だったらどうでしょうか。
つまり、A銀行は最悪のケースでも取りっぱぐれることはないってことです。
これだとかなり不公平感がありますよね。
これを解決するのが、信用プロラタ返済という方法です。
つまり、それぞれの銀行が信用で貸している部分、担保や保証協会の保全がついてない部分で貸している部分で残高に応じて按分しましょうという返済方法です。
例えば、先ほどの借入残高で以下のような担保を持っていたとします。
A銀行:3千万円 ( 本社の土地建物)
B銀行:1千万円 ( 保証協会融資)
C銀行:1千万円 ( 預金担保)
そうすると、各銀行が信用で会社に貸している金額は以下のようになります。
A銀行:2千万円 ( 5千万円 ー 3千万円 )
B銀行:2千万円 ( 3千万円 ー 1千万円)
C銀行:1千万円 ( 2千万円 ー 1千万円 )
なので、それぞれの銀行の返済割合は以下のようになります。
A銀行:40% ( 2千万円 / 5千万円 )
B銀行:40% ( 2千万円 / 5千万円 )
C銀行:10% ( 1千万円 / 5千万円 )
とこのような形で、実際に銀行がそれぞれ担保を超えた部分で貸している部分を元に返済割合を決める方法を信用プロラタ返済と言います。
ただ、この信用プロラタ返済は、ちょっと難しい部分があります。
預金担保や信用保証協会の融資の部分であればいいんですが、土地建物など不動産の場合は何を基準に評価するかで価格が変わります。
なので、その価格をどうするかが結構揉める部分なので、あまり信用プロラタを採用しない場合も多いです。
残高プロラタにしろ、信用プロラタにしろ、どちらを選ぶにしても、あなたにとっては正直返済金額が変わるものではないので、あまり気にしなくていいと思います。
この辺は銀行側が勝手に揉めることなので。
また、リスケのデメリットの説明に戻りますね。
④信用不安の可能性。
信用不安とは、あの会社はリスケ、条件変更をしているという噂が流れるということです。
リスケをするということは、業績がよくないということの表れでもあるので、その情報が流れると仕入先などは支払いがされないのではないかと考え仕入れができないケースなどもあります。
ですが、一般的にはリスケをしてようが、支払いに滞りがないのであれば普通に仕入れができるのが一般的です。
仕入れ先も、昔からの取引だったり、そもそも仕入先も商売としてしているので、リスケの情報だけで、仕入れをストップするとは考えづらいです。
ただ、実際のところそういった情報が流れることはまずないです。
他の会社がリスケしているなんて、普通の会社は分かりませんし、そもそもリスケをしている会社の従業員すらそんなことは知らないはずです。
正直ここのところはあまり気にしてなくてもいいのかなとは思います。
ですが、ひとまずリスケの情報は外に漏れないようにしておくということはきちんとしておきましょう。
⑤返済期間が伸びる。
⑥金利条件が変わる可能性。
⑦債務者区分が落ちる可能性。
リスケをすると、返済期間も伸びるケースがほとんどなので、完済までの期間が伸びることになります。
また、リスケをすると、金利が上がる可能性があります、さらに債務者区分への影響があります。
金が返せないからリスケしてるのに、なんで金利が上がるんだ!
と思うかもしれませんが、正直これはどうしようもない部分です。
返せないってことは、返ってこないリスクが上がるということだからです。
だから、どうしても、金利が上がってしまう傾向にあります。
また、あなたに直接関係ありませんが、条件変更をすると、銀行の中でのあなたのランクが下がることになります。
銀行は債務者区分といって、会社ごとに、ランクづけをしています。
別にランクが高いから待遇をよくするといった訳じゃなくて、貸付の際の金利などの条件面を、客観的に決める一つの指標とするためにランクづけしています。
( 実際は、貸倒引当金を積む際に使用していますが、一般の方はそこまで気にしなくていいです。)
条件変更をするとこのランクが基本的には下がることになります。
下がるとどうなるかというと、やっぱり金利が上がったり、新規の借入が難しくなったりするということです。
⑧保証会の場合は追加保証料がかかる。
⑨最悪代弁の可能性。
あなたの借入金が信用保証協会の保証付であった場合は、リスケをする毎に保証料がかかることになります。
ここはちょっとわかりにくい部分なですが、リスケをすると、返済期間が伸びるので、保証する金額が増えることになるんです。
そのため、実際に増えた部分に対する保証料が必要になります。
ちょっと分かりにくいので、具体例で説明すると、
例えば、
5千万円を5年で借りていたしますよね。
ただ、5年目を迎えた時に資金繰りが厳しくなって、5年目の1年間だけ返済をストップして、6年で返済したいです。
とししたときには、6年目の残高に応じた保証料と5年目の想定よりも減らなかった部分に対する保証料が必要になります。
あと、代弁についてですが、これは本当に最悪のケースです。
代弁とは、代位弁済のことで、保証協会付融資を条件変更などして返済を止めていた場合などに、いつまでも条件変更をすることはできないので、条件変更ができなくなってしまった場合に、銀行からへ返済するではなく、保証協会へ直接返済する形を取るということです。
つまり、債権を銀行から保証協会へ移すということになります。
正直、ここまでくると末期状態なので、ここから商売を継続するのも少し難しくなっていきます。
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