資金調達の方法としてよく比較されるファクタリングとABLですが、改めてどう違うんだろうと思いませんか。
そのため今回はファクタリングとABLがどうちがうのかそして実際どういったスキームなのかご紹介します。今後の資金調達検討の際に生かしてください。
私は元々銀行員をしていて、色々な業種、業績、規模の会社の担当をしてきました。そんな私の実体験を踏まえつつ、お伝えします。
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ABLとは?
ABLとは、Assert based lending の略で日本語訳は動産担保融資。
ちなみにwikipediaには下記のように記載されています。
動産担保融資(どうさんたんぽゆうし、英: Asset-based Lending、略称ABL) とは、米国で発達した主として売掛債権と棚卸資産を担保にした融資手法である。資産ベースの融資(Asset-based loan)の一種であるが、住宅ローンなど個人融資を除く、企業間融資を指すことが多い。近年日本の銀行でも似たような融資手法が導入されている。この担保となる資産には商標や特許など、いわゆる知的財産権も含まれることが特筆すべき点である。
引用元:wikipedia
つまり、売掛金や在庫を担保とした融資のことを指します。
今まで日本の銀行や金融機関は不動産や担保に依存した融資をしてきていて、特に中小企業の場合不動産を持っていないケースがあるので、今後資金繰りの改善も含めてそういった動産担保を活用した融資をしていきましょうという流れになっています。
最近よく聞きますが、でもこういった話ってもう10年以上前から言われている話でなかなか中小企業の利用までは浸透していないというのが現状です。
またABLという単語の場合日本では売掛金担保というよりは、在庫担保を指す、またはイメージするケースが多いです。
ちなみに、yahooでablと検索すると農林水産省のHPがトップに出てきます。
農林水産省としては、農家の方の資金調達で牛や豚を担保にして融資をしますよという枠組みを進めているんですが、そういったこともあってABL=在庫担保というイメージが根付いています。
次にファクタリングについて説明しますね。
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ファクタリングとは?
ファクタリングとは、簡単に言うと、
売掛金の売却です。
ABLの場合は、在庫を担保にして借入を起こすので、貸借の動きとしては、下記のようになります。
現預金の増加 ⇔ 借入金の増加
一方でファクタリングの場合資金調達すると貸借は下記のようになります。
現預金の増加 ⇔ 売掛金の減少
ファクタリングは借入ではなく、資金調達の一手段ということが分かります。
そのためABLとファクタリングでは全然違います。
ABLとは、売掛金or在庫を担保にとって借入するもの。
ファクタリングとは、売掛金を売却して資金調達をするものです。
ファクタリングについてさらに詳しく知りたい方は下記を参照ください。
参考:そもそもファクタリングとは何?概要や内容を具体例で説明!
さて次章ではなぜどちらも普及しないいのかについて説明します。
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なぜABLもファクタリングも普及しないのか。
要因は様々ですが、ABLの場合は在庫の評価方法が難しいと言うことが挙げられます。
例えば以前私はエビの養殖業の企業の担当をしていたんですが、エビの在庫って把握しようがないと思いませんか?
その会社に聞くと、養殖場の一部の重さを測って、それを何箇所か行なって全体の在庫の数を把握するんだそう。私はそんなにアバウトなんだと驚きましたが、でも考えてみたらそれ以外に方法はないんですよね。
こうやって考えると動産、特に在庫についてはどうしても評価の仕様がないことがわかります。実際は外部に評価を依頼することが多いのですが、それが客観的に正しい評価なのかというのはやはり疑問符です。
また実際の話、特に地方銀行には評価のノウハウなんてものはないので、一般担保として取り扱うのは厳しいです。一般担保として取り扱うのが厳しいとは結局担保評価はゼロということ。なので実際の融資金額が増えるかは正直怪しい部分でもあります。
ABL、ファクタリング両方に言えることですが、それは不動産以外のものを担保として資金調達することで、あの会社は不動産だけでは資金繰りが回らないのかといった誤解を未だに生みやすいということもあります。
実際のところ、ABLについては、実は信用保証協会の制度もあるのでもうすこしアナウンスしていけば利用は増えていくはずですが、あまり周知されてないのが現状です。
なので本気で普及する気があるのであれば、ABLもファクタリングももう少しアナウンス、特に信用保証協会の制度のアナウンスはやっていくべきですし、その制度に関する報奨金等をつければ大きく伸ばせるんですが、なかなかそんなことはしませんよね。
まとめ
今回はABLとファクタリングの違い、そしてなぜ普及しないのかについてご説明しました。ABL、ファクタリング、共に優れた仕組みであり、不動産をあまりもっていない中小企業にとって本当に有用なスキームだと思います。
ぜひ一度利用を検討されてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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