自営業だとなかなか資金繰りって厳しい部分ありますよね。
私は元々銀行員で、
融資の担当をしていたので、
個人事業主の方や中小企業の方々の、
決算書や試算表、資金繰り表を毎日のようにみていました。
大企業や中堅企業になると、
業務の細分化が進んでいるので、
資金繰状況のみを把握する方がいたり、
企業の金回りについては、
いろんな方が関わるような体制を構築しているので、
比較的いきなり資金ショートするということはないんですが、
自営業や中小企業の場合、
業務の分化はきっちりされていないことが多いですし、
特に事業だけじゃなくて、
資金繰りも経営者が行なっているというところも少なくありませんよね。
そうなると、事業の盛衰だけじゃなくて、
経営者や経理担当者に万一のことがあった際や、
ちょっとした体調不良などでも資金繰りが悪化することがあります。
そういった場面も含めて、
今回の記事では、資金繰が厳しい時に、
資金繰を好転させる方法をご紹介していきます。
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Contents
どうして資金繰りが厳しいのか?
まず考えるべきなのは、これですね。
資金繰りが厳しい理由です。
しかも、損益計算書上では、
黒字の企業のはずなのに、
どうしていつも資金が足りないのか。
ここから考えてみましょう。
1.ビジネスの流れを把握する。
まずビジネスの流れ、資金の流れ、物の流れを把握することが大切です。
今回は卸売業と製造業について考えてみましょう。
サービス業については、
在庫という観点では、
卸売業に近いのでそちらを参考にされてください。
卸売業の場合
卸売業だったら非常に分かりやすいですよね。
物を仕入れて、それを売って、
その差益が利益になります。
製造業の場合
製造業の場合は、
物を仕入れて、そこから製品を作って、
製品を売って、その売却代金から材料費などを引いて物が利益になります。
ただ、製造業の場合気をつけるべきは、
仮に物が売れなくても、
製品を作れば作るほど、利益が出ると言う点です。
製造業で資金繰りをする際ここが一番、
損益と資金繰りの乖離が大きいです。
たとえば、売上高がゼロだとして、
物を作らないとします。そうすると、
売上原価には固定費である労務費や家賃、減価償却費などがあるので、
損益はマイナスになりますよね。
ただ、物を製造するとどうなるでしょうか。
そうです、今回かかった労務費や材料費、その他製造経費については、
製品の中にも組み込まれるんです。
つまり、費用が資産になるんです、
そして期末になると、在庫として認識され、
原価計算から控除されます。
控除されるということは、
原価から引かれるため、費用が減少します。
これかなり変だと思いませんか?
でも、これ日本においては、
製造業どころか、建設業もこういった計算を行なっているので、
どうしようもありません。
いわゆるこれは、全部原価方式を採用しているためです。
会社内部であれば、
直接原価方式を採用して、
会計管理を行うべきですね。
2.必要なお金はいくらなのか?
○必要な資金量を把握してますか?
銀行員をしていた時に思っていたことですが、
優良企業って意外と借金をしているなということです。
中堅の毎期収支トントンの企業の方が、
金利を低くするよう要請したり、
資金調達は少なめにしたり、
はたまた資金調達を少なくしたことで、
資金繰りが厳しくなったりしていました。
つまり、私が思うに、優良企業ほど
自分の企業が必要な資金の量をしっており、
そこにスポット的なことがあっても対応できるよう、
必要な資金量+αで準備をしていて、
中堅の資金繰りに忙しい企業ほど、
自分の会社の必要な資金量を把握しておらず、
資金を出したり、入れたり、
借りたり、返したり頻繁にしているということです。
私個人としては、
そういった金利のいくらかを下げるために、
四苦八苦するぐらいなら、
安定して資金を持っていて、
もっと事業に専念した方がいいと思っていました。
○必要な資金量とは?
必要な資金量とは、
その企業が事業を継続する限り必要となる資金量のことです。
一般的な考え方をすれば、
所要運転資金と言い換えて問題ありません。
所要運転資金はいくらか?
といった話になると、
所要運転資金 = 売掛債権 + 在庫 ー 買入債務
とだけ説明があるんですけど、
正直これの意味をうまく説明できている方があまりいないので、
私なりの解釈をご紹介します。
例えば、あなたが1,000,000円の商品を仕入れて、
1,200,000円で販売するという卸売業をされていたとします。
その際あなたが純粋に事業を行うために、
準備するものは分かりますか?
それは、商品であり、在庫です。
もちろん、店舗や事務所を構えれば、
その費用も必要ですが、
最小限必要なものとなれば商品となるはずです。
そこで商品を1,000,000円仕入れるとなれば、
1,000,000円の資金が必要ですよね?
ここまではいいですか?
すると、貸借対照表は↓のようになりますよね。
資産 | 負債 |
商品 1,000,000円 | 買掛金 1,000,000円 |
ただ、仕入れ先の方がいい人で、
仕入れてから1ヶ月だけ支払いを待ってあげると言われた場合、
1ヶ月以内にものを売れば、
あなたの所要運転資金は、
ゼロです。
先ほどの算式に当てはめると、
所要運転資金0 = 在庫 1,000,000 円 ー 買入債務 1,000,000円
ただ、ここで一つ問題あり、
この商品は売れるまでに絶対2ヶ月かかるとします。
すると、買掛金1,000,000円を支払必要が出てきますよね。
仮に買掛金を現金等で払えたとして、
商品だけが残っている場合には、
運転資金の算式は、
所要運転資金 1,000,000円 = 在庫 1,000,000円 ー 買入債務 0円
となるので、
在庫の2ヶ月保有、買入債務の支払いが1ヶ月であるので、
1ヶ月分の差額を資金調達する必要があります。
また、下記前提条件でいくと仮定します。
①仕入は、仕入れ後1月後に支払う。
②在庫は1ヶ月保有後、必ず売れる。
③売上は、販売後1ヶ月後入金になる。
④1月に仕入れを行い、2月に販売でき、また別途2月に仕入れを行い、3月に販売する。
この場合の2月末時点での貸借対照表イメージできますか?
下記のようになります。
資産 | 負債 |
売掛金 1,200,000円 | 買掛金 1,000,000円 |
商品 1,000,000円 |
現金で払ったことと、利益部分を入れてないので、
貸借が合わないことはご容赦ください。
貸借対照表の一部を切り取ったものと思ってください。
この場合の所要運転資金は、
所要運転資金 1,200,000円 = 売掛金 1,200,000円 + 在庫 1,000,000円
ー 買入債務 1,000,000円
となります。
ここまでくれば分かりませんか?
一般に言われている所要運転資金なり、
正常運転資金なり、必要運転資金とは、
単純に今の事業を継続している限りあなたが立て替えが必要な資金のことなんです。
つまり、売掛金や商品など今後売上となるものの、
代金が入ってくるまで立て替えておく必要がある資金です。
なので、
この立替ているお金を今までの内部留保などで賄えれば、
わざわざ借入を起こす必要もない訳です。
ただ、1つ覚えておいて欲しいのは、
売上の入金条件、在庫のサイクル、買入債務の支払条件、
売上高がほとんど変わらなければ、
あなたが立替る必要の金額は変わらないということです。
もちろん利益がバンバン上がって、
繰越利益剰余金などで内部留保が厚くなってくれば、
その立替資金を借入する必要はありません。
それでも立て替えは立て替えなので、
機会損失になりますよね。
収益になるまで待っているものが収益になったと看做して、
所要運転資金の範囲で資金調達をすることは
事業を拡大していくためには必要なことだと私は思っています。
次にどうやって資金繰りを好転させるのかについて話をします。
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資金繰りを好転させる方法とは?
先ほど所要運転資金の説明をしたのには、
意味があります。
あの計算式を頭にいれることで、
資金繰の改善をすることができるからです。
なぜなら資金繰りの悪化とは必要な資金の増加を意味するからです。
つまり、資金繰りが悪化するのは、
自前で支払いをできない部分を他人に頼っている部分が増えた場合を指します。
他人とは、銀行などのことですね。
ということは、資金繰りを改善しようと思えば、
先述の所要運転資金を限りなくゼロに近づければいいいのです。
なので先ほどの算式を思い出してください。
所要運転資金 = 売掛債権 + 在庫 ー 買入債務
所要運転資金をゼロに近づけるためには、
何をしたらいいのでしょうか。
これは単純ですね。
それは、売上債権、在庫を減らす、買入債務を増やすということです。
だからと言って、売上を減らすことではないです。
簡単に言うと、それぞれ下記のことです。
売上債権‥‥‥ 回収を早める。
在庫 ‥‥‥ よく売れるものを仕入れる。
買入債務‥‥‥ 支払を遅くしてもらう。
ただ、これが大変なことはよく分かります。
でもこれ少しずつでも手をつけるべきです。
もちろんかなり劇的にやってしまったら、
あの会社資金繰り厳しいのかなと思われて、
風評被害的なことになりかねませんが、
それでも少しずつでもこれは絶対に交渉しておくべきです。
私は銀行員として、色んな企業を見てきましたが、
10年〜20年くらいのスパンで見れば、
ずっと安定している企業は中々ないです。
地道ですが、こういったことを繰り返しておくことが、
長期的には、事業の安定に確実につながります。
最後に売上債権を減らすという施策で1つご紹介します。
ファクタリングという手法をご存知でしょうか。
簡単に言うと、
売掛金の現金化ということです。
つまり、先ほどの算式で言うと、
売掛金が大幅に減少するので、
資金繰りが大幅に改善します。
このファクタイリングという手法は、
欧米ではかなり以前から導入されていた手法なんですが、
近時日本でも、中小企業や個人事業主にまで、
徐々に広まっている手法で、
経済産業省も認めている手法なので、
安心できるものです。
もちろんメリットだけではなくて、
手数料がかかりますので、
いつでもする手法ではないと思います。
また最近だと悪徳業者などもいるのでその辺りの見極めが必要です。
ただ、資金繰りが本当の本当に厳しくなったときのために、
ファクタリングという手法があることは覚えておいてください。
これは正直知っているか知らないかという話なので。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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