前回の記事では、ファクタリング導入に伴うメリットとデメリットについて説明しました。
メリット、デメリット以外に導入される際の問題点、注意点がありますので、本記事にて説明させて頂きます。
他のファクタリング関連のサイトなどに書いていることが、元銀行員の立場からすると正直少しズレているという部分がありますのでそこについての話と、そうなった場合の実際の対処法についてお話させて頂きます。
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問題点 金融機関からの信用アップは本当か?
よくファクタリング会社のサイトなどを拝見すると、ファクタリングで資金調達をすると貸借対照表がスリム化して、金融機関からの信用アップして、今後の融資への影響はありません。
といった文言を目にするんですが、元銀行員の立場からの目線でいうと、半分正解で半分不正解です。
確かに、ファクタリングで資金調達した場合、売掛金の売却になるので、借入金の計上は不要です。
その点では確かに銀行からの信用が上がる可能性があります。
ただ、先ほど申し上げた半分不正解の部分ですが、銀行側が注視している指標への影響が2点あります。
そちらを説明させて頂きますね。
① 短期資金への影響
以前運転資金とは何か?といった記事を書きました。
>運転資金とは?必要金額と借り入れ理由!誰でも借りれるのか。
そこにも書いているんですが、銀行側ではその企業が事業を運営する上で必要と考えている資金を必要運転資金として算出しています。
実際決算書の必要運転資金の金額を基に短期の資金枠を設定している銀行が多いです。
仮に決算期にファクタリングを利用していた場合どうでしょうか。
必要運転資金の計算式を思い出してもらえればすぐに分かると思います。
必要運転資金 = 売上債権 ( 売掛金 + 受取手形 等 ) + 在庫 ー 買入債務 ( 買掛金 + 未払金等 )
計算式を見てもらえれば分かる通り、必要運転資金が減少することとなります。
必要運転資金額が減ったからといって、すぐに極度枠の削減を迫ってくる銀行はそんなにないと思いますが、可能性としてはあります。
そのため、もしファクタリングを利用されるのであれば御社の決算期を跨がない形での利用をおすすめします。
② 債務償還年数への影響
実は、金融機関が自己資本比率並みに注視している指標があります。
それが、債務償還年数です。
簡単にいうと、今の収益力で借入金を何年で返せるのかという指標です。
計算式は下記のようになります。
債務償還年数 = 要償還債務 ÷ キャッシュフロー
要償還債務 = 借入金 ー 必要運転資金
キャッシュフロー = 利益 + 減価償却費
上記の計算式を見てもらえれば分かりますが、
要償還債務とは、借入金から必要運転資金を控除するんです。
つまり、必要運転資金とは事業継続している間は必要となる運転資金なので、返すべき借入金からは控除しましょうという意味合いです。
ここで1つ問題が生まれます。
前節で紹介したようにファクタリングを利用したことで、必要運転資金が減っているはずです。
必要運転資金が減るということは、要償還債務が増えるということを意味し、
償還年数が伸張するということを意味します。
償還年数がいくらか伸びたからと言って、借入金の返済を急に求められたりするわけではないですが、評価が少し下がる可能性があります。
そのため、前節と同じようにもしファクタリングを利用し、もし時期をいくらか調整することができるのであれば、決算期を跨がない形での利用をオススメします。
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まとめ
今回はファクタリングを利用する際の注意点について説明しました。
ファクタリングを利用する際は、上述した通り、もし利用時期を調整できるのであれば、決算期を跨がない形で利用するようにしましょう。
ファクタリングついての疑問点等があると思いますので別記事を参考にされてください。
>ファクタリング利用時の疑問とその答えまとめ!( Q&A )
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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